採用基準がポーカーになってはいけない

一人事務所を大阪で営む税理士のブログ | 採用基準がポーカーになってはいけない
採用基準をつくってから採用することが基本である一方で、走りながらつくる場合もあります。
市場感を把握しつつ、その市況から採用の基準を形成していく感じです。

でも、できれば前者で進みたいです。
後者を例えれば、テストをしながら配点を変えていくようなものです。
基準をつくって始められない団体が、走りながら基準をつくるようなマルチタスクをこなすのは難しいでしょうから。

走りながら基準をつくる一番の問題は、基準がパッチワーク化することです。
ポーカーの手札を入れ替えるような感じです。
採用で、どんどん基準があがることに直面したことはないでしょうか。

パッチワーク化する弊害です。

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もくじ

目線は上がる、いいとこ取り

採用の目線は上がります。

目の前の人の能力を目の当たりにすれば、実務能力はもっとほしい、語学力はいい、など、基準に対していい悪いの評価が出てきます。
いいところは当然にあるなと感じ、ないところはもっと補っている人がいないかと期待します。

ポーカーをやっているかのように。
このカードだけ入れ替えられないかと想像します。

でも採用では、一部の手札の入れ替えでは動けません。
全とっかえが続きます。

一方で、基準はポーカーの手札入れ替えになります。

このズレが起きると、なかなか埋められません。
いい人がいても採用を決めきれなくなります。

 

パッチワーク極まれり

パッチワークのように基準がつくられ、ポーカーの手札待ちになるとわかっていても、避けられません。

集団で採用基準をつくっていくと自然とそういう傾向が出るのでしょう。
採用目線が上がってしまうことを理解している人がチームにひとりいたとしても、パッチワークを完全には防げません。

一番いい防ぎ方は、採用を始める前に仮であってもいいので基準をつくっておくことでしょう。
つくった上で修正をしていく方が、結果はいいでしょう。

 

スタート時に母集団を把握できない

採用基準をつくりながら採用すると、採用難易度があがるもうひとつの理由は、母集団の数を想定できないからです。

全体の37%を見た時点で決めるといいという数学的考え方があります。
これを最適停止理論といいます。
何人目で採用するといいか、何人目の出会いで結婚するといいかなどを考える理論です。

この理論でいけば、100人の人と出会いがあるなら36人目までに無条件に不合格にし、37人目以降で合格にするといい人が取れます。

あるしごとに20人応募があるとすれば、7人目か8人目からきちんと見る形でいい人が取れるでしょう。
でも、基準をつくりながらだと、どれくらいの人が応募してくれるか把握しにくいです。

そうすると最適停止理論でそろそろだなという数を判断できません。

採用の市況感を持ちつつ、うまく全体のできあがりを予測しながら意思決定のまとめをしていく。
そういう運営をするには、母集団の予測が大切です。
採用基準を最初に持たないと、予測を阻害することになってしまいます。

仮でも、暫定でもいいので、基準をつくりましょう。
走りながら基準をつくることは避けたいですね。

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