仮想通貨は、世界的には課税される方向へ

飛び立たない国際仕事ノート | 仮想通貨は、世界的には課税される方向へ

一時期、仮想通貨への課税をなくす主張をする投稿する記事を見かけましたが、意見表明という程度でしょう。
譲渡所得がない国を引き合いにするというのは、所得税法の利益に対して課税するという考えに真っ向から対立するので難しそうです。

では、税率を下げる方向に動くかというと、世界的な流れとしては、課税する方向に動き始めています。

もくじ

日本以外の課税される動きへ

日本以外の動きを見てみましょう。
これまで、免税措置を取っている国が多かっのですが、課税される動きも増えています。

例えば、

ブラジルは6月、暗号資産による少額のキャピタルゲインに対する免税措置を廃止し、金額に関わらず、デジタル資産からのキャピタルゲインすべてに一律17.5%の課税を導入した。

Cointelegraph

とか。

ポルトガルも1年未満の仮想通貨の利益に28%の課税をする動き。ドイツやイギリスも同様に少し免税範囲だったり非課税枠だったりが減ります。

税制難を考えれば、しっかりと利益が出ているところに課税をする政府の動きは、当然ともいえます。

そもそも非課税という枠を取れていた国も限られます。
よく出てくるケイマン諸島、アラブ首長国連邦の一部の地域、エルサルバドルなど。
ここにポルトガルやドイツも入っていた時期があったのですが、上記の通り舵を切っています。

日本の論点は、雑所得から外されるかの動き

2025年末に向けて日本の金融庁は仮想通貨(暗号資産)に関する規制と税制の大幅な見直しを進めており、特に以下の重要な改正案が注目されています。

  1. 規制移行と金融商品化
    仮想通貨を現行の資金決済法規制から金融商品取引法(金商法)に移行し、株式や債券と同様の「金融商品」として位置づけるが討されています。これにより、暗号資産関連の法規制の枠組みが一新され、投資商品としての整理が進む可能性があります。
  2. 分離課税の導入と税率引き下げ
    仮想通貨の売買益に現在適用されている最大55%の総合課税を廃止し、株式と同様に一律約20%(厳密には20.315%)の申告分離課税を適用することが2026年度の税制改正の柱とされており、2025年末の税制改正大綱に盛り込まれる見通しです。大口の取引に対して税負担軽減が期待されます。
  3. ETF解禁と税制面での支援
    仮想通貨の上場投資信託(ETF)を日本でも組成しやすくするための税制改正も金融庁は要望しており、これによりSBIなどが計画しているビットコインやリップルのETF上場が促進され、市場の国際競争力向上が見込まれています。
  4. 自社発行トークンの期末評価課税の廃止検討
    国税庁は仮想通貨を含む自社発行トークンに対して期末時点での評価課税を廃止する方向を検討しており、これも2026年度の税制改正に合わせて議論されています。これは企業の資産評価や財務処理の簡素化に寄与する見込みです。
  5. ワーキンググループの役割
    金融庁内および関連省庁で設置されているワーキンググループがこれらの改正案の検討と調整を行っており、関係者間での意見調整や法案の具体化が進んでいます。

これらの動きをまとめると、仮想通貨の金融商品としての明確化と分離課税導入、ETF解禁、期末評価課税の廃止といった影響でしょうか。

世界的な課税の動き

税負担を逃れたいという欲求は高いです。だから、他の芝を見せるのに、非課税の動きはニュースで目に飛び込みやすいです。

しかし、実際は、課税をされる動きの方が仮想通貨については、目立っている感じがします。売買金額によっても変わるでしょうから、関係する人は動向を見守りたいところですね。

【編集後記】
問い合わせページを更新のために止めているのですが、それでも問い合わせをいただきます。需要があるんだなということを考えて、早く整備しようと感じます。

【子育て日記(息子8歳、息子4歳)】
一緒に、仮面ライダー ガブを見ています。ラキア、かっこいいですね。女性陣にすでに人気になっているみたいです。

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