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AI税務調査について考える

人工知能は、税務調査においてますます一般的なツールになっています。これは、潜在的な調査対象を特定し、従来の調査方法よりも効率的で正確かつタイムリーな結果を提供するために使用されます。

一方で、それが新しい技術はそれ以外のインパクトをもたらすものです。
良くない点をもたらすという意味ですね。

この記事では、最新の AI 税務調査の対象選択について、メリットとデメリットについて説明します。次に問題点を一部指摘します。最後に、税務関連の厳密性から法的な問題が多くなるという点について説明します。

目次

AIは何を指すか

AIは、Aitificial Intelligenceで、人工知能の略です。
ボットのように見た目で、人が答えてくれているように感じるものの方が目立つかもしれません。

でも、今回対象となるのは、データマイニングから。
大量のデータを帰納的に処理することで、一定のルールを見つけて、それを新しい事例に対して適用できるもの。
このイメージでAIを話しています。

至るところで使われいますが、表側では意識がされないものです。
IT系の企業ではすでに多くのところで利用がされているでしょう。

また、CRMを使っている企業においても、同様の内容が使われているはずです。
データが多すぎて、うまくデータをセットできなかったり、データ自体に粗があって使えないことがありますが。

誤認識があっても、企業であれば挑戦し、利益につながれば真でなくても問題がないものです。
ただ、税務調査の場合は、仮定でも過程でも真でないことは、公平性であったり人権の問題から懸念を抱かれることもあるでしょう。

AIでの選定の利便性

AIでの利便性が無視できない一定の水準に来ているからこそ、問題視がされています。
まずは、利便性の確認です。

早い

もし、AIによって税務調査の対象を選定すれば、その選定がとても早いです。
人が選べばそれだけで数時間かかるだろうものを、数秒で選んできてくれます。

対象選定の事前時間を減らせるというのは、作業効率化です。

合法性の原則で、確かにルール通りで法律に従って徴税したり調査したりするでしょう。
でも、100円のルール違反を見つけるために、100万円をかけるようなことはしません。

コスト圧縮は、結果的にこのギャップを埋めるため、効率的な徴税は、税として社会が使える予算を増やすことにつながります。

人の手間を省く

人の手間を省くことはとても大切です。

現場から人が減っています。
支店統合が一般企業であるように、税務署も統合を多いです。
支店が減っていなくても、税務調査業務だけ集約して別の場所で対応しているなんてこともザラです。

税務調査は、税務署の中でも専門性が必要な一例です。
集約して専門化した方が効率的な運用ができるのは、一般的な組織と変わりありません。

投資と回収

投資をして費用がかかったとしても、その分多く回収が短時間でできれば、成果です。
ソフトウェアは、人のように福利厚生を考える必要がなく、また、長時間の使用にも耐えられます。

人を大切にしようという中でもマッチしますし、回収額が増えるのであれば、願ったり叶ったりです。

AIでの税関検査選定のデメリット

選定に合理的な説明ができるか

ひかっかったことに対して合理的な答えが出せるのでしょうか。
これこれこういう理由で調査したという明確な答えは出しにくいです。

調査官が、「調査になんで入ったんですか?」という問に正確に答える義務がないにせよ、なんでここに調査に入るのかわからない場合がある可能性は出てくるでしょう。当初は大丈夫かもしれませんが、条件が複雑になってくると複合的な要因で該当してくることが考えられるからです。

現場の教育

選定についてAIに任せれば、選定眼は退化します。
それがデメリットなのかは、場合によるでしょう。
少なくとも、導入当初に上席の方が「今の若いやつは」というくらいにはなる気がします。

つかいこなし

専門チームがいるので、コンピュータ関連に強い方がいる一方で、みんがが強いわけではないんだと感じます。
そういうところにAIの税務調査選定を持ってきたときに、ちゃんとつかいこなせるのか。
ボタンを押すくらいでよければ、いいのでしょうが、少し疑問が残るところです。

論文からの問題点の指摘

以下のとおり、泉氏が問題点を挙げてくれているので、それに従って一部コメントをしてみます。

学習用データ,バイアス,ブラックリスト,ブラックボックス,偽陰性と偽陽性等に関する問題が存在すること及びこれらが個人の尊重,幸福追求権,平等原則を基本原理として掲げる憲法 13 条や 14 条,あるいは適正手続を保障する 31 条や 84 条等への抵触問題に発展する可能性があることを指摘した

泉絢也「AI(人工知能)・機械学習アルゴリズムの利用と法的問題―調査選定システムの検討を中心として―」千葉商大論叢第 59 巻第 1 号50頁(2021 年)

学習データバイアス1

元データがランダムではなく、恣意的なデータであることは、要注意です。
それは、「税務調査に非協力的な人のデータが得られていない」ことになります。

とすれば、データをよく出す一般的な人は、細かな部分を見て調査対象にされるとしても、データが正確でなかったりあまり出さないような分野の方だと、税務調査の対象として選ばれない可能性があります。

機能法はブラックスワンに弱いですし。

偏りデータが注目され、関連適用

サンプルが少なくても、ある程度の答えを出すシステムに構築されるでしょう。
なので、そのグループが灰色だと認定されれば、偏ったデータに基づいて、グループが判断されます。

差別につながるとまではいいませんが、人が変えにくい属性でグルーピングして適用される恐れもあるでしょう。

SNS情報との紐付け

SNS情報は、紐付けがされると考えます。
自動分析などは、すでにあるんじゃないでしょうか。
その人のSNSを自動で持ってきて判定をすることが民間のシステムではよく見られるので。

公的機関が持った場合の批判はあるかもしれません。

まとめとして

AIで税務調査の対象を選ぶことは、コスト減につながりますし、通常の流れでしょう。
多くの分野において、AIを使って対象を判断することが増えていますので。

ただ、税務という性質上、プライバシーやら権利やらと問題になってくる可能性が高いです。
つかいこなしという点でも、少し疑問が出ます。
電子帳簿保存法やインボイス制度の導入にこれだけ手間取った現状があるので。

仕組みがわからなくても、答えが出てしまう良し悪しが大きい気がしています。
これからどういう仕組が出てくるかたのしみなところもあります。

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