バックオフィスの目標設定は ミスなくしよりもヒヤリ・ハット発見

一人事務所を大阪で営む税理士のブログ | バックオフィスの目標設定は ミスなくしよりもヒヤリ・ハット発見

総務部、経理部、営業事務などなど
比較的別の部署の行動に伴って動く部署の
年間の目標は立てにくいです。

単純な上司から部下の評価であっても
360度評価であっても、上手な目標を立てにくいです。

その中で、特にオススメしないのは、
「ミスをなくす」です。

ミスをなくす目標は考えやすいのか、
部下の何人かが出してくる内容でした。

でも、こちらが代わりに提案するのは、
ヒヤリ・ハットを見つけることです。

(ヒヤリ・ハットとは「重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の認知」と定義しておきます)

理由を含めて説明していきます。

もくじ

ミスを減らすは、いいことがだ報告しにくい

総務関係の目標立てにくいので、
ミスをなくすという発想に至ります。

至極当然です。

でも、その課題には3つの弱点があります。

1. ないことを証明しにくい

2. ミスをしないことが当然として、評価されない

3. 達成感がいまいちない

順を追って説明します。

1. ないことを証明しにくい

まずは、ないことの証明。

ないことを証明するのは難しいのです。
よく聞く話かもしれませんね。

「すべての白鳥が白い。」

として例題を挙げると、
これを証明するには、
すべての白鳥を調べる必要があります。

swans1

かなり多くの白鳥を調べても、
集めた白鳥以外にもたくさん白鳥がいます。

逆に

「黒い白鳥もいる。」

を証明するのであれば、
一羽だけでも黒い白鳥を見つければ足ります。

swans2

黒い白鳥を見つければ足りるのです。

ミスをなくす話も証明がしにくいです。

上司に、「ミスをなくしました」と報告しても、
「(私が気づいた)ミスはなくしました」とも
聞こえます。

2. ミスをしないことが当然として、評価されない

ミスをしないことは仕事でとても大切なのですが、
どうしても減点方式の採点になりがちです。

上長が営業系だったりすれば、
そういった後ろ向き(に聞こえがち)な
目標を形式的にしか評価しません。

仮にミスをなくした計測を上手にできて
報告も一生懸命したとしても
上司の評価がよくなければ報われません。

3. 達成感がいまいちない・報告しにくい

バックオフィス系の、
ミスをするしないの基準には
外部要因が大きく関わってきます。

他の部署の仕事を引き継いで行うことが多く
「自分だけのミス」で語り尽くせないです。

うまくいっても運が良かっただけかもしれません。

また、なくすことへの喜びを
自分の目標として達成感を感じにくいです。

また、報告する場合に、うまくミスを
防げないときは、「ミスしました」報告を
しなければなりません。

自分がミスをした報告なんてしたくないですよね。

おすすめの目標はヒヤリ・ハットを見つける・対策する

代わりにオススメする目標の設定は
「ヒヤリ・ハットを見つけて・対策する」です。

理由は

1. 数個を見つけることは簡単で報告しやすい

2. 「ミスしました」ではなく「ミスを防ぎました」報告ができる

3. 他にも活かせる可能性が高い

こちらも順を追ってみていきましょう。

1. 数個を見つけることは簡単

先程の白鳥の例と同じです。

たくさんの中で、一つを見つけるのは簡単です。
毎月の報告を課されている場合が多いと推測します。
その報告の一つとして、ちょっと考えれば
ヒヤリ・ハットの場面を思いつくことができるでしょう。

hiyari

2. 「ミスしました」ではなく「ミスを防ぎました」報告ができる

誰しも「ミスをしました」という報告はしにくいものです。

でも、「ミスを防ぎました」であれば、
喜んで報告できることです。

ヒヤリ・ハットを報告すると決めることで、
「自分が直面した危険を上手に回避しました」という
ストーリーを描いて報告できます。

miss

3. 他にも活かせる可能性が高い

ヒヤリ・ハットは他の人にも活かせる内容で
あることが多いです。

ミスまで具体的になってしまうと
個別性が強く応用がしにくいです。

逆に、ミスの手前のヒヤリ・ハットであれば、
環境要因や手順なども示せるため
他の人にも役立てる内容になりやすいです。

バックオフィス系の目標を上手に立てよう

Goal

バックオフィス系の目標は立てにくいです。

繰り返しですが、例えば営業事務。
営業の人が取ってきた仕事の後工程を
担当して納品までを管理する役割とします。
「ミスをしない」という目標は、
単調な報告しかできなかったり
報告できてもマイナスの要因が強いです。

逆に、ヒヤリ・ハットに注目するのであれば、
受注のフローを合わせて改善することや
当初の営業への確認事項を提案することも
できるかもしれません。

報告しやすいもの、そして
どうせやるならモチベーションを維持できる
目標をぜひ立てましょう。

その際に「ミスをしない」を思いついてしまったら、
ぜひ、「ヒヤリ・ハット」の方向で作り直してみてください。

【編集後記】
仕事は立て込んでいますが、
合間を縫って資料の整理をしています。

【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO

【一日一新】
とある銀行の営業部長さん

【子育日記(2歳)】
食事をしていると、一緒に遊ぼうと
呼びに来て手を引いてくれました。

こちらも一緒に遊びたいので
さっさと食べて向かいました。

もくじ