日本でもビッグデータから社内で誰が辞めるかわかるのか?

パトレイバー展

経済分析の方とビッグデータの使い方を議論しました。

その時は、退職というのは個別の要素や比較が厳しく
なかなかデータ性にはたどり着かないというのが結論でした。

現在のできる対策としても限定的です。

ではハーバードビジネスレビューでの研究は
どう考えているでしょうか。

研究ケースを確認することと
日本の場合への応用を考えてみます。

パトレイバー展

*パトレイバー展にて

もくじ

伝統的な退職の推測データは遅い

伝統的に退職対策は2つの方法が取られています。

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一つは退職インタビュー。
もう一つは定期的な聞き取りです。

人事担当は退職する人に必ずインタビューをしましょう

 

退職者に対して、退職理由を知ることは大切です。
適合者でなかった。社内の対応が悪かった。
人間関係を円滑に築く形になっていなかった、など。
次の良い方法につなげることができます。

もう一つの定期的な聞き取り。例えば、
毎年の各個人の貢献度の評価です。
評価を定期的にすることで、どんな評価の人がその後に
退職したかを測ることができます。

これらは伝統的なやり方ですが、一定の役割は果たしています。

ただ、大きな問題点はリアルタイムではないことです。

地震が起こってからその時動物が暴れていたことを
理解しても使えません。

察知して逃げられるくらい早く知りたい。
退職についても同様です。

ビッグデータが使えるかのハーバードビジネスレビューの記事

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アメリカのある調査は、売上高と転職オファーの
関係性をビッグデータから測りました。

売上高は、プライバシー云々を考えずに
評価としてオープンな指標。

データとしても取りやすく、プライバシーの
問題もそこまでない。比較数値として
ある種適当です。

細かなデータを知らないうちに使われていたと
なると、詳細はおいておいても最近のリクナビの
ようなプライバシーの問題が深くなってしまいます。

正確性とプライバシーをどう回避するかは
悩ましいところ。日本は甘いとの指摘も多いところです。

週刊アスキー
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リクナビ内定辞退予測なぜ問題?-倶楽部情報局 - 週刊アスキー リクナビが利用者7000人以上に関わる内定辞退予測データを売っていたことがわかった。個人情報保護法違反の疑いがある。

●「スコア」ビジネスに影落とす

しかし、データの活用を進める大手企業を代表する存在であるリクルートグループが、学生の将来に影響しうる情報を無断で販売していた事実は、極めて深刻だ。

●内定辞退防ぐサービスがきっかけ

リクルートキャリアの発表によれば、同社は内定辞退の確率を予測するサービスを2018年3月に始めた。

背景には、いったん採用が内定したものの、辞退する学生が増加していることから、メールや電話で、採用担当者らが内定者にフォローをしている現状がある。

内定辞退の確率が高い学生であれば、こまめにフォローして、辞退を防ぐ――。企業側のこうしたニーズに答えるサービスだった。

リクルートキャリアは、サービスの停止までに、学生が知らないうちに38社に対して分析スコアを提供していた。

売上高と退職の相関性

売上のビッグデータを使うことで
個人の売上高傾向指数を計測します。

この傾向指数と退職率の相関性を計ります。

 

売上高と転職オファーを受ける可能性の関係性で
リアルタイムで外部の転職オファーを受けているかを
予測することができました。

調査は二つの観点から行われています。

1)転職関心度

売上高指数は転職メッセージへ関心が
開かれているかを考えています。

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具体的には、転職しなさそうと判断された
2000人のサンプルの方に転職メッセージを送ってみます。
結果、そのうち1473人がメールを受け取り、
161人が開き、40人がクリックします。

転職しやすそうと判断された人たちは
その倍の83人(2.4%に対して5.0%)の方が
メールを開いてくれます。

そして、クリックも多いとの結果でした。

 

2)転職オープン度

売上高指数の能力を評価するために
50万人の個人標本を評価。

3ヶ月後に、転職しやすいと判断された
63%の人たちは転職しないとされた人たちに比べて
転職をしてる結果でした。

社内で売上高指数のようなものを持っているのは優位。
こういった使えるデータの他に、誕生日やら、
勤続年数記念やら、プライバシーを侵害しない
範囲で持っているデータを合わせられます。

社内で独自にデータを持つことは
この点からも優位です。

ビッグデータは人事データに使えるのか?

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今回の相関性はトップセールスの
引き止めという観点から有効かもしれません。

ただ、人が辞めるのは次の仕事で
魅力的なオファーを受けたからという
だけでなく、もっと複雑でしょう。

何かしらの相関性が出るでしょうが、
それが優秀さとの関係で役に立つのか。

悩ましいところです。

不正確な天気予報は
実害さえあるやもしれません。

一定の有用性はあっても、
規模が小さい会社であったり
サンプルが取りにくい相関は
測れるか疑問です。

売上高と転職オファーに関係性を
見出しているのは、面白い点ですが。

まとめとして

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ビッグデータ信仰が少し和らいできたこの頃。

要素が多い退職については、なかなか
正確な予測のためにデータを使いきれていない
印象が強いです。

実際に退職を予測できるようになれば
いいのですが、天気予報とは違い
人は心変わりもするし家族もいる。
外部要因が大きい。

今回のハーバードレビューを読んでも、
やはりまだ人事評価とビッグデータを
完全に使うのは難しいという判断を
改めて感じます。

参考記事

Harvard Business Review
こじま税理士のビジテクブログ | 日本でもビッグデータから社内で誰が辞めるかわかるのか?
Better Ways to Predict Who’s Going to Quit Most retention efforts rely on two retrospective tools: exit interviews and annual employee surveys. The problem is that these data don’t give managers a real-t...

 

 

【編集後記】
パトレイバー展は、なかなかの雰囲気。

デッサンなども古さを感じさせず
イキイキとしてるものが多かったです。

【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO

【一日一新】
パトレイバー展

【子育日記(2歳)】
家でかくれんぼ。上手に息をひそめて
隠れていました。

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