企業でワークショップ導入の際の11のデメリット

生家

ワークショップは意味のあるものにできる一方で、この手法を取るデメリットもあります。
的確な使い方をしなければ成果が出にくいものです。

企業でワークショップを使うデメリットを考えることで、使い方を把握することが大切でしょう。ということで、今回はデメリットを見直してみます。

 

生家

*太宰治の生家 by iPad Air

もくじ

1.結論が出るのが遅い

意見をまとめて出すことに時間がかかります。
遅いというのは企業ではコスト増につながるため、この手法の評価が下がる一因です。

ワークショップは、一定時間を使ってその場に参加させている人たちの意見を吸い出します。
できるだけたくさんの意見を集めた上でそれをまとめることで結論の方向性に向かっていく。

この意見の吸い出しが不十分だと、いい結論の方向性に向かえません。
普段発言が少ないような人からも意見をできる限り出してもらって、全体の意見を混ぜるように努めるよう、ワークショップは設計していきます。

それには一定の時間を共有し、気持ちをほぐしたり発言の方法を工夫させたりして意見を出させる工夫が必要です。

 

2.参加者のレベルをそろわせるのは至難

参加者のレベルや前提知識をそろえるのがとても難しいです。
どうしても、できる方の力をある程度疎外しながら全体の最適化を測ります。

できる方の力を抑えても、できない方の意見を集めてまとめることが成功の会であれば良いです。
しかし、企業で結論を出そうと考えるような問いには不向きな場合も多いです。

 

レベル感は参加頻度という問題点も含みます。企業ワークショップは忙しい人も多く、いつも同じ人が参加しないこともしばしば。
それでも会が続くようにもワークショップは設計できますが、探求した型の課題の場合、いちいちレベル感が戻ってしまうことも。

ワークショップが最適な方法かはよく考えるべき点です。

 

3.さまざまな人の意見合わせに役立つが、必ずしも深くなるわけではない

ワークショップは多様な人の存在に気づいたり他の人の見方を知って学ぶことができたりする反面、深さへの物足りなさが出ることがあります。

Aさん「私はこう思う」
Bさん「僕はこう思う」
Cさん「オレはこう思う」

で?

 

バリエーションを知り横の広さを出せても深さ までは出せないことも。

 

4.必ずしも一意の合意には至らない

意見を出しそれを収束させるとき、必ずしも一意の合意に至らないです。

一意に決まらないことは多様性を認めること。その点がワークショップのとてもいいところでしょうが、一意に決まらなければ方向性を定められないと考える企業では役に立たない結論が一つ出たにすぎません。

ブレインストーミングの段階ではある程度役に立っても、企業の行動を決めるには決定打に欠ける場合があります。

 

5.企業で効果を測りやすいかは疑問

ワークショップの結果を数値では測りにくい。
当初からオーダーを受けて指標が決まっていればいいのですが、目的がふわっとした状態で始めることも多いワークショップ。
成果を定性的だけでなく定量的に求められる企業では、効果を測りにくいです。

効果を測りにくい=効果がないとみなされます。
シュレディンガー風には、観測されないものは存在しないからです。

ワークショップ設計の考えにも関わってきますが、測定という側面も大切なところでしょう。

 

6.出た答えが論証されているわけではない

多様な想いや感じ方を集めることに役にたつワークショップですが、答えが論証されているわけではありません。

論証場面は別に必要です。

そしてもっときになるのは、間違っていても合っていても、ワークショップの場では各人の答えの重みがある程度等価で扱われます。

場のルールやファシリテータに制御されるとはいえ、(分かっている人にとって)わたいもない意見がはびこった場にずっといさせられるのは、苦痛です。

想いを大切にすることがワークショップの良さでもありますが、間違っている云々をそこまで追わない悪さも存在します。

 

7.平等に見えて、平等ではなくファシリテーターに権力性が強い

平等なのは参加者同士の立場であり、やはり場の制御はファシリテータです。

基本体系はそれでいいのですが、本当にその人がファシリテータで成果が出るかどうか。
たわいもないことにも付き合うのが組織と考えれば問題ありませんが、ファシリテータが独り相撲を取るようなワークショップに陥っている例も見かけます。

その権力性が本当に(ここでは企業成長に対して)是認されるか。
悩ましいところです。

8.参加者を仲良くさせられる可能性があるが、仲がいいのが善かは企業体質による

ワークショップは参加者同士を仲良くさせられます。

一方で、企業はどうしても利益を求めることを目的とするため、仲がいいかどうかというのは二の次であることも。

場面場面に織り込んでゲーム性も考えて使用するにはいいのですが、それは場面を選んでいます。
仲がいい雰囲気が合う企業もあれば、それよりは動きを求めたりドライであったり。企業文化は外側から見ると思う以上に多様なものです。

 

9.ワークショップへのアレルギー

ワークショップと聞いて、嫌な思いを抱く方がいます。
今までワークショップと名付けられたもので嫌な思い出がある方などです。

こういった方は「ワークショップをする」ということだけで心を閉ざしてしまうことも。

 

この意見を感じたのは、あるファシリテータが
「もう、あのワークショップはいいわ。参加したくない。」
と言っているのを耳にしたことがあるからです。

ファシリテータになるのはいいが参加者になるのは嫌。
この方自身が開くワークショップもそう思われる側面があるやもしれませんね。

 

10.ワークショップが必ずしも企業文化に合うとは限らない

企業には多様な意思決定のプロセスがあります。

全体感で見ると、ワークショップを取り入れられている日本企業は多くありません。
創造的な分野で挑戦的に試してはいるものの、やはり職務を探求することによって成長をしていくことが多い。

サービス業は相手の気持ちを推し量るため、ワークショップが役に立つ面が多いですが、そうでない製品を扱っている企業も多いです。

 

11.鶴の一声で結論が決まってしまう企業もある

中小企業が多い日本。意思決定も、社長が鶴の一声で決めてしまうことがあります。
今までの全てのワークショップをぶっ飛ばした上でです。

プロセスにも意味があるワークショップとはいえ、これをやられると次以降のワークショップへのモチベーションが下がります。

また、使わない議論であるならばそもそもする必要もありません。
意思決定のプロセスとしてみんなで決めたからいいという事でもありません。
合うか合わないかの議論のうちの話です。

まとめとして

悪い側面から考えることでワークショップを適切な場所で設定できるようにしましょう。

まちづくりなどとは違い、企業でのワークショップは見える効果が求められがちです。
理論的に、構成的にしっかり武装しながら、ワークショップの良さを企業の中でも発揮できるように、作り上げる参考になったら嬉しいです。

 

【編集後記】
一応運動を続けられてます。雨が振ってジョギングできなかったらどうしようかなと。ただ、続けているうちにどうにかなるかとも考えます。

とにかく春を目指して続けます。

【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO

【昨日のはじめて】

【昨日の子育日記】
子どもがペンが好きで、帰ってきてカバンを置くとすぐに喜んで中からペンを抜き出しています。

遊び終わったらちゃんとがんばって中に戻すのですが、たまにお互い気づかず。
今日は仕事で使うときにありませんでした。。。

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