ハラスメント対策に演劇ワークショップを使う際の7つの課題

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演劇ワークショップとの組み合わせで
研修を行うと、普段と違う世界を作ることができます。
盛り上がったり学びの効果をあげる場を用意可能です。

新しい取り組みのひとつとして、
ハラスメントの演劇を取り入れたワークショップの
プロトタイプに参加したことがあります。

体感型の良さもあり、なかなか印象に残るもので
これからの需要とあった教育プログラムでした。

その分課題もあります。
今回はその課題をまとめてみます。

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もくじ

1. 見せることと説明することの境界線

ディスカッション型のハラスメント研修や
講義型のハラスメント研修との違いは、
その場で状況を人を使って見せることです。

人がその場で見せるのは、映像を使うことと
雲泥の差です。セクハラの演劇が研修で含まれていたのですが、
効果的な場面にて演技として見せることで
印象に残る研修にできていました。

しかし、劇の鑑賞会になり過ぎても
持ち帰れるところが減ってしまいます。

印象に残った結果を、研修として効果的に
理解するために、どのシーンを切り取って
見せるのか、説明するのか。
持ち手が多くなる分、上手に使う必要が出てました。

2. 場面の切り取り方法

ハラスメントとは何かをとらえて表すことに
演者の方が難儀していました。

セクハラの話でおけば、接触をしたり
あからさまにプライベートに誘ったり。
これは表現しやすいところです。

初手では上記のような場面を切り取っていました。

でも、本当の係争はあからさまではないが
受け手が嫌だと感じる中で出てきたり、
加害者らしき側の行動への認識が
違っていたりするところです。

目線を変えて、加害者・被害者の
両方の主観から同じ場面を見せる方が
聞く、話すだけの研修ではなく演劇で
見せてもらう意味がもっと出るのではないかと
感じられるものでした。

3. 演者にビジネス上の雰囲気を理解してもらうこと

演劇を中心に経験されている方が演劇で見せてくれました。
フルタイムで働いている経験が多くない方で、
実際にどのような生の現場があるかをうまく
とらえる演技をすることが難しそうでした。

試作だったため、社会人経験のある
ワークショップ参加者に、
働いて雰囲気を兼ね合わせれるように
終わった後に感想を交換していました。

もちろんこういったことは演劇で
よくあることのようです。

小栗旬さんが、経験のないことを演じる難しさで
殺人犯の役の話をしていました。

経験がないことを演じるのも
よくあること。
ハラスメントをよく理解した人と
演技の状況をチェックする機会が
企画段階からあると良いです。

4. 演技がうまいと生々しく、後味が凄まじい

生の人が演技を目の前で行う鮮烈さが
この研修の醍醐味です。

しかし、演技がうまいとそれを
どう受け止めるべきか迷ってしまうくらい
印象に残ってしまいます。

演技とわかっていながらも、
ハラスメントの現場を見るのは
人により辛い可能性があります。

上手なケアが必要と感じました。

5. 前提の共有を上手に行う

研修であれば、目的の設定と
効果測定を上手にしなければなりません。

演劇の方は芸術肌なところが当然あります。
演じきることや良い「作品」にする目的が
どこかであります。

構わないのですが、研修としての質を
あげることを考えると、単なる「作品」に
してしまってはいけません。

効果測定と合わせてコーディネータが
上手に方向性の調整をすることで
研修として生きてきます。

6. コーディネータの力量が必要

前提のところにつながりますが、
社会人経験を持ったコーディネータが
演劇がわの事情にも配慮して
研修と劇を合わせて進めるます。

コーディネータ側の力量が
かなり問われる研修です。

また、単なる映像で見せて終わりにしないなら
観覧席よりも、同僚役として出てもらう
ことで双方向性を持った研修機会に
仕上げることができます。

全方向として場面を作っていく
力量が研修会の価値を左右するでしょう。

7. 潜在需要はある、マーケティングに少しコツが必要

良い研修ができた後の売り込み先に
ノウハウが必要だなということも感じます。

垂直型の組織ではセクハラ研修を
採用しにくいでしょう。

ガバナンスコードから水平組織でも
人を集め、集合体の権限を既存組織と
区分してはっきりさせているような
企業出ないと、需要があってもうまく
発注まで至らない可能性があります。

それと、演劇の良さを活かす場合、
単なるハラスメントだけでなく、
人事関連の別の側面にも触れたいです。

採用や教育、指導場面ですね。
世代間の違いを見せてあげることもできます。

人件費がかかるため提供する
研修コストとその価値がうまく吊り合うよう
オーダーメイドなものに仕上げたいものです。

その意味では、全体研修より管理職研修向きでしょうか。

まとめとして

演劇と組み合わせるのは面白い試みでした。

教育で求められるトレンドは変わっても、
うまい組み合わせを持って提供できれば
ビジネスになり得るでしょう。

人的要素が難しいので、
属人的なキャリアを築きたい人に
面白い課題になるかもしれません。

研修企画のネタとして参考になれば幸いです。

【編集後記】
年末までもう一息ですね。
私もペースは変えず、落とさず
どんどん普段と変わらず突き進むつもりです。

【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO

【一日一新】
チップスター トマト&オリーブオイル

【子育日記(2歳)】
父親はよき遊び相手なのでしょう。
よく「あそぼう」と言われます。
時間の折り合いをつけてできる限り
たくさん相手をしています。

もくじ