現実世界は、マルバツではなく中途半端な条件をどう判断するかが課題

一人事務所を大阪で営む税理士のブログ | 現実世界は、マルバツではなく中途半端な条件をどう判断するかが課題
どっちか簡単に割り切れる? by SONYα7Ⅳ

マルバツの二択というはとてもわかり易いです。
ゾロアスター教のように、光と闇のような二元論は想像しやすいからです。

正義と悪がある、初期のドラゴンクエストのような世界観です。
勇者の正しさが存在し、魔王が討伐対象である。
マルバツがはっきりしています。
最近流行りのフリーレンであっても、魔王が完全に人間に悪意を持ってはいなかった描写があれども、通常出てくる魔族ははっきりと人間に害悪になるものとして描かれています。

しかし、このようにマルバツを決められるのは、現実と異なっています。
ある人にはその人なりの言い分があって行動しているからです。

マルバツの選択肢はわかり易さでは群を抜いているので、頼りたくなりますが、現実では、全体感を持ったシナリオで対応する方が適当です。

もくじ

よく出される二元論

婚活の話で、「大好きだけど年収200万の男性」 or 「好きでもない年収1000万の男性」…結婚するならどちらを選ぶ? のようなタイトルを見かけます。

対象を2つに割って仮定していけば、両者の立場をぶつけられます。
でも、選択肢が極端ですよね。
その間はないのですしょうか。

持ち家vsマンションもよく見かけます。
これは永遠に使えるテーマなのでしょう。
多くの人が気になるのでどちらの方がお得かを説いている解説を見かけます。

前提を整えなければ比較は厳しいはずです。
同じ人生で、同じところに住んで、同じ時期に子どもと暮らして…のように前提が同じでなければ結果が異なるはずです。

現実の複雑さ

現実はこのようにシンプルに比較整理できないものです。
週刊誌の見出しとして、価値が数段落ちてしまいますが、中途半端な場合も多いです。

最初の婚活の例でいけば、どうして好きな人とそうでもない人の年収にそこまで差がつくのでしょう。
以下のような比較記事は、お金か感情かを2択にしてきます。

大好き
好きでもない
  • 年収200万円
  • 年収1000万円

しかし、「30代前半の未婚者の年収中央値は332.9万円、既婚者の年収中央値は446.1万円。」というデータがあるので、現実にもっとありそうなのは、20代の女性が彼氏を選ぶ際には、以下のように中途半端なはずです。

10段階のうち6くらい好き
10段階のうち4くらい好き
  • 年収が300万円
  • 年収が450万円

正確かもしれないですが、記事の質として惹かれるかは微妙ですよね。
それに、どうやって相手の正確な年収を測るかという難しさがあります。

人によって嘘をついていることもありますし、税引き後をわざと言う業種もあると聞きます。

現実の複雑さをうまくとらえよう

条件を単純化すると判断を簡単にできますが、上記の例のように現実世界では単純化することさえ難しい事例は多いです。

前提条件が分かれば判断はできるはずです。
ChatGPTなども、その前提条件を整理して入れれば、ある程度の答えを返してくれます。
しかし、その前提条件を均すこと自体に難しさがあることは、あまり注目されません。

「税理士の仕事がなくなる」という思考も前者のように前提の整理がすべてされた状態でヨーイドンをして競わせた思考結果です。
全体の整理自体に多くの時間が割かれていることに、当事者でなければあまり気づかない気がします。

相談をいただく際にも、分かりやすい答えを回答しようと心がけていますが、現実に従うほどに中途半端な答えが出てきがちです。
こういうときには、中途半端な前提条件をどう整理するかに注力をしています。

現実の複雑さを単純化した方がうまくとらえられるのか、複雑さを幾分か残しつつ対応するべきか、腕の見せ所だと考えています。
相談業務をしている人は、その整理の段階から、ぜひとも差をつけられるように意識をしていきましょう。


【編集後記】
発信の範囲の見直しの続き。
型を整えるのに時間を使っています。

【運動記録】
ストレッチ○

【子育て日記(6歳・2歳)】
上の子と冬ものの服を買いにショッピングへ。
男の子の服の少ないのはいつも悲しいのですが、まだ私の好みで服を選べるので、大いに活用して着てほしいのを選んでいます。

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