輸出貿易管理令の根拠となっている国際的な枠組み

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日本以外の輸出貿易管理令の該当判定においても、同じ基準を散見することがあります。

国際レジーム(国際的な枠組み)から規律が作られていることが理由です。
大きくは4つあります。

取引先などに、規制の根拠を聞かれた際の回答として有用ですよ。

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もくじ

ワッセナー・アレンジメント

ワッセナー・アレンジメント(Wassenaar Arrangement)は、通常兵器に関する枠組みです。

貿易管理で少しさかのぼるとココムがありました。
共産圏に対する武器輸出を管理するものです。

このココムに対応する新しい基準としてワッセナー・アレンジメントがあります。
新ココムと呼ばれることもあります。

輸出貿易管理令では、物品規制の項目に多く反映されています。
物品規制の文言が国内と国外とで共通であるのは、ここからきているんですね。

原子力供給国グループグループ

原子力供給国グループ(Nuclear Suppliers Group:NSG)というものもあります。

原子力と入っているので、原子力関連を中心とした規制とイメージしやすいです。

例えばプルトニウムやウランなどを規制します。
これらを生成したりする技術にもその対象が及びます。

オーストラリアグループ

1984年のイラン・イラク戦争の化学兵器使用に対する枠組みです。

議長国がオーストラリアだったことにより、オーストラリアグループと呼ばれています。

化学兵器を規制するということで、対象は化学兵器になる前の物質であったり化学兵器の製造のために使用される設備などです。

MTCR

ミサイル技術管理レジーム(MTCR:Missile Technology Control Regime)です。
「大量破壊兵器の運搬手段であるミサイル及び関連汎用品・技術の輸出管理体制」と訳されます。

ミサイルを飛ばす技術に関連したものを管理するスキームです。

輸出貿易管理令はこれらの複合規定

重複するような概念もあるかもしれませんが、輸出貿易管理令はこれら4つの複合から作られています。

特に物品規制の1−15項に該当するものは、対象国によってそのレベルが変わりますが、対象物を管理していくものです。

どれによって規制されているかを考える必要はあまりないかもしれません。

でも、取引先などに「なんでこれに許可がいるの?」と聞かれることもあります。
みんながみんな貿易に長けている訳ではないので、なんで規制されるかに疑問を持つのは当然かもしれません。

どれかによって規制されているという程度でも、少しは納得できるのではないでしょうか。
「日本の政府が決めている」というよりも、「国際的な合意の元での指針」の方が納得してもらいやすいかもしれません。

説明に使えるときに役立ててみてください。

【編集後記】
法学的な定義がないものの取り扱いに苦慮しています。
最新の事例を取り扱う場合に、よくあることかもしれませんが。。

【運動記録】
ジョギング○ ストレッチ○ 筋トレ○ サプリ○

【一日一新】
とある採用の打ち合わせ

【子育て日記】
雨なので長靴。
喜んで水たまりに飛び込んでいました。
だんだんエスカーレとしていくので、ほどいいところで切り上げてもう少しお散歩しました。

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