保険外・保険内? 不妊治療を受けた人は税金を減らせるか?

こじま税理士のビジテクブログ | 保険外・保険内? 不妊治療を受けた人は税金を減らせるか?

不妊治療が医療保険の対象となりましたが、不妊治療の費用を税金ではどう扱えるのかをまとめてみます。

「不妊」と聞くと、耳障りな場合があるかもしれませんが、一応、子どもを望んで定期的な夫婦生活を営む場合に1年以上の期間で成果が出ない場合がこれに該当します。期間については、諸説あり、アメリカでは女性が35歳以上の場合には6ヶ月の期間とする場合もあります。

キャリアとタイミングを考える上で、望んでもすぐにうまくいかない場合もありますし、男女問わず何かしらの処置をする場合もありえます。税金は普段マイナス要素かもしれませんが、ポジティブになる要素として理解してもらえればと考えています。

なお、税金的な手助けを考えてこの記事を書いておりますが、夫婦間や医療関係者からの身体や心のケアもぜひお願いします。残念ながら、税金は身体や心のケアに直接働きかけができないので。

もくじ

不妊治療を控除できるの?

不妊治療を税額控除できるか?

できます。ただし、諸要素があるので、気をつけましょう。

不妊治療を税額控除をすることは可能です。
諸要素としている部分について、大まかに

  • 直接必要な治療
  • 検査ではない
  • サプリでもない
  • 交通費は含めていい

といったところを抑えておくと、不妊治療での控除対象になるかを理解しやすいです。

例えば、男性側で精液検査を実施したとします。含有率であったり運動率であったりを調べたとしても、これは治療として何かに関わるというものではありません。現状の把握です。
ということで、医療費控除で税金が安くなるものには含まれません。

これに対比して、人工授精をする際に、精子洗浄濃縮法という、作業を加えるとします。これは治療に直接関わってきますので、対象となると理解できます。

男性側でも女性側でもどちらでも控除可能

医療費控除の特筆するべき点は、家計を同一にしている家族であれば控除をすることができます。

例えば、まとめない場合に、6万円、5万円だったとしても、まとめた場合には11万円です。
11万円であれば、10万円を超えますので、医療費控除が可能です。

不妊の場合は共働きのケースもあるでしょう。というのも、不妊治療のために企業が働く時間を勘案する動きがあるように、生活が不規則になりがちだからです。残業を減らした企業で子どもを持つ家庭が増えたというのも一例です。

所得が高い方にうまくまとめて、控除の効果を上げていくのがお得といえます。

不妊治療の具体例と控除イメージ

イメージを付けるために治療を羅列していきます。

タイミング法

生理周期と排卵日を予測する方法として最初に取り組むものでしょう。医師のアドバイスを受けて受診する場合もあるので、この場合の受診料は、医療保険を除いたものとして累積して、10万円を超えれば医療費控除の対象となります。受診料としては発生しますが、病院にも行きますし、医療費控除の対象になることを理解しやすい費用です。

排卵誘発治療法

ホルモン剤を使用して排卵を促し、妊娠の可能性を高める治療です。上記に記載した、直接の治療に該当しますので、医療費控除の対象となります。

人工授精・薬物療法

精子を採取して直接注入をする方法です。治療ですから、医療費控除の対象です。また、薬物はホルモン剤などですが、こちらも直接的な内容ですので、医療費控除の対象です。

体外受精(IVF)

体外受精も当然のごとく、医療費控除の対象でいいでしょう。慣れた方だと、IVFと呼んでいます(IVF-ET (in vitro fertilization – embryo transfer:体外受精))。なお、男性側が無精子症という場合には、、精巣内精子採取術を行う可能性があるでしょう。こちらも直接手術しますので、医療費控除の対象です。

顕微授精(ICSI)

顕微授精は、イメージとして卵子に直接精子を注入する方法です。ICSIと呼ぶ場合もあります(intracytoplasmic sperm injection = 細胞質内精子注入)。直接的な治療ですから、こちらも医療費控除の対象でいいです。

交通費

病院までの交通費も医療費控除に含めることができます。通院が多い方や、遠くまで治療しに行く場合も考えて、含められることは理解しておきましょう。

卵子凍結

卵子凍結の場合は、複数個によって費用が変わってきます。とりあえず、直近の出産を期待して卵子凍結を行い、一部凍結して次の体外受精や顕微授精に備えるという方法であれば、医療費控除に含めてしまっていいと私は考えます。

なお、20代の方などで卵子を早期に凍結しておくという場合は、医療費控除の対象にできません。将来に備えたものであれば、直接の治療に寄与するとみなされないからです。

海外での治療

特殊な治療を受ける場合に、海外での治療をすることもあるでしょう。この治療においては、その費用は医療費控除の対象になりえます。換算レートや支払日に注意しましょう。

支払わないといけない

注意点として、支払いが必要です。ここは現金が出ていったかどうかということに重きを置いています。クレジットカード払いであれば、引き落とし日ではなく、カードを切った日でかまいません。

10万円超えをさせるためにまとめたい欲求はあるかもしれません。しかし、ここはきっちりと日付で分類しておきましょう。

マイナポータル連携での注意

医療保険の対象になるものであれば、マイナポータル連携が可能です。ここで一覧を取得しておきましょう。

しかし、医療保険の対象でなければ連携ができません。不妊治療であっても保険診療の対象外のものがあります。それらについては、連携ができないため、注意が必要です。

同様に交通費も連携できません。

安くできる税金のイメージ

卵子凍結から妊娠までの期間の費用として100万円がかかったとしましょう。

この場合に安くできる税金として、仮に課税所得が330万円以上での税率20%が適用される部分が100万円以上とすると、所得税は100万円x20%の20万円安くなるとざっくりみることができます。

また、同様に住民税がありますので、100万円x10%の10万円が住民税サイドで安くなると考えられます。

ざっくり合計30万円ですから、結構大きいのではないでしょうか。

ポータル改善で、もうちょっと本気を見せてほしい

税制は人の行動に過度に影響を与えないようにしていることは、実行側面からよく感じます。しかし、少子化対策という名目であれば、増加へ影響を与えてもいいと考えるのがマジョリティかなと。

その意味で本気で政府がするなら、かゆいところをかいてあげることや飴をあげることは、もうちょっとしてあげていいんじゃないかと感じます。特に、医療保険対象外のデータ蓄積でうs.

個人情報をブロックさせるというマスコミ各社の動きは多いのですが、利用者側から見れば手軽に数十万円の税額控除を受けられる方を望む人が多くてもいいはずです。希望の人にデータ蓄積をさせる方法も考えてもらいたいものです。

【編集後記】
統計データは最新のものを使うとしても、現状と離れているなという肌感覚になるものはそこそこ見られます。少子化統計なども、肌感覚とは少し離れるなと感じています。

【運動記録】
ストレッチ○ ジム○

【子育て日記(6歳・2歳)】
ポケモンの映画、セレビィでユキナリのネタバレのことを最後まで意識しないで見ていました。。早く言ってほしかったです(笑)

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