日本の税金記事は英語で本当に読みやすい?外国人の誤解の理由を解明

一人事務所を大阪で営む税理士のブログ | 日本の税金記事は英語で本当に読みやすい?外国人の誤解の理由を解明
阪急 神戸三宮駅にて by SONYα7Ⅳ

私の記事ではないのですが、日本の税務関連の英語記事に対して「読みにくい」という感想をもらうことがありました。

税務関連の記事を書く際に、英語でもいくつか書いてみています。
これは、英語が得意な方だと英語の方が読みやすいというと考えていたからです。

しかし、上記のように、母国語であっても読みにくいものはたくさんあるということを改めて認識しました。
英語で税金について書いた記事が読みにくいのはなぜかを5つにまとめてみます。

もくじ

税金計算に数字が伴う

税理士が考える、ウェブマーケティングとIT+税務について

英語であっても日本語であっても、数字が苦手な人は多いようです。
数学や算数が得意な人は、もうひとつ別の言語で話せるのと似ています。

数式を書けば、短い内容であっても特定のことを明確に示すことができます。
その数式に連結するのが、日本語であっても英語であっても、その計算の考え方や数字に慣れていないと理解しにくいです。

また、なんとなくのアレルギーという場合もあります。
数字の扱いや数式の内容はそこまで複雑でないにしろ、数字が出てきた瞬間に身構えてしまうような感じです。

日本人にとっても複雑

税理士が考える、ウェブマーケティングとIT+税務について

英語にする前の内容として、日本人が一読して理解できるないようでしょうか。
そもそも日本人にとっても複雑な内容であることがありえます。

第二言語の習得レベルが第一言語の習得レベルを超えないということはよく言われます。
それと類似して、訳文から英語を作成する場合に、前提となる日本語の内容がすでに分かりにくければ、いくら税金のことを細かく書いているとしても、出来上がった英語の文章も読みにくくなるのは自明です。

税金の考え方がもともと複雑

税理士が考える、ウェブマーケティングとIT+税務について

税金の考え方自体は、やはり独特のものだということが、英語で税金のことを書いたときにも分かりにくくなるひとつの要因です。

例えば、交換して金銭をやり取りしていない、認識としては等価交換をしたと当人同士が感じていても、税金が発生することがあります。
税務をしている人にとっては、とても当たり前のことです。

しかし、税務をしていない人にとってみると、事象を理解はできても、そういう考え方で税金を計算する発想に対して、納得ができないことがあります。

表現として理解できても、十分に納得できない内容というのはありえます。
だからこそ税理士が必要になる場面があるのでしょうが。

英語で表現して、その内容自体を読み込むことができても、納得ができる論理展開としてすっと読み手に入ってきていない状態です。
英語として税金を説明しても分かりにくい状態を作りやすい部分です。

普段の生活で慣れていない

税理士が考える、ウェブマーケティングとIT+税務について

税金関連に対して普段の生活で慣れていなことが、英語で表現しても理解しにくい理由のひとつです。

消費税を収めている、間接的に所得税や住民税に触れているとしても、受動的な結果として税金を払っている場合、慣れは出にくいです。
さりとて、個人事業主で毎年所得税を収めていても、税金の時期が通り過ぎるので精一杯の場合は、慣れが出にくいです。
毎月あれば慣れてくるし、毎日あればもっと慣れてきます。
年1回だと、慣れに至りません。

どの言語で表現するかに関わらず、普段の生活で慣れない部分に対して、理解を求められてもつらいところです。
英語で書いてもうまく読み込めない理由です。

訳語がおかしい

税理士が考える、ウェブマーケティングとIT+税務について

英語の授業を受けたときに、それは日本語の概念にない単語だから、翻訳を工夫しないといけないことってあります。
翻訳がうまくできていない場合もよく見かけます。

例えば配偶者を考えましょう。
spouseが訳語として出てきます。

spouseが配偶者という考えて翻訳をすれば伝わる気がします。
しかし、そうではない場合も考えられます。

カナダのブリティッシュコロンビア州の家族法を見てみましょう。

配偶者とは何ですか?

  • 結婚している、または結婚していた関係
  • 一定期間、事実婚と呼ばれるように結婚に似た関係で他の人と暮らした場合

Government of British Columbia. (n.d.). What is a spouse? Retrieved September 19, 2023 (下線部及び日本語訳は著者)

この場合は、事実婚が入っています。
言葉は生き物ですから、もともと法的な関係だけを指していたものを、拡大する可能性がありえます。
特定の地域の人にとって、暗喩される意味の混同が起こりやすいところです。

なんとなく機械翻訳をしていると文脈を取りにくくうまく表現できていないと感じるのは、この辺りのズレが出て来やすいからでしょう。
税務用語を英語の翻訳していると、独特な場面が多くて、税金のような見えないものを概念として捉えていることを再認識させられます。

結果として、訳語がうまくハマっていないせいで、英語にしても伝わらない場面があるのでしょう。

まとめとして

こういったよく分からない部分が少なくなるように、発信をしていこうと考えます。
ただし、英語での税金の発信があまりないせいか、検索もされないことが多そうだという悩みもありますが。

税金について英語で示すという場面で、工夫をしておきたい点です。

【編集後記】
子どもを含めて、パパ友ママ友と遊んできました。
楽しい時間でした。

【運動記録】
ストレッチ○

【子育て日記(6歳・2歳)】
同年齢の子とでしたが、子どもたちだけで遊んでられるようになってきました。
友達と遊びたがる子が増える年齢になってきたんだと、うれしくもあり、そのうち寂しくなるのかと感じました。

もくじ