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過度な節税は脱税なのか? 節税・租税回避・脱税の言葉の定義

 

エコノミスト(2018.1.30.P27)には、こんな記述がありました。

・・・税理士側も、過度な節税は「脱税」という認識を示したとみられる。

(下線部はAK-UP.COMで付加)

「過度な節税」=「脱税」なのでしょうか。

 

例えば、法人が保険により100万円を繰り延べをして将来税率が1%下がった際に税金を回して1万円の税金を下げた(A契約)とします。これは節税でしょう。

過度な節税を勝手に想像するに、上記のA契約を1万本契約したら単純計算で1億円税金を下げられます。1)益金が十分にあるという仮定ですが。
これが「過度な」節税なのでしょうか。

 

これ以外に、租税回避という言葉もよく聞きます。
租税回避は課税されるのでしょうか。

ここでは、節税・租税回避・脱税という言葉をしっかりとまとめて、どの事実がどの言葉を指すのか整理をしていきましょう。

strange hotel

*「変なホテル」in 心斎橋

 

 

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節税・租税回避・脱税のまとめ表から

個別に説明していくとして、まずは全体像を示します。

よくわかる税法入門のP35の表がまず分かりやすいので引用いたします。

 
 行為の違法性処分可能性課税可能性
節税適法で通常なしなし
租税回避適法だが異常なし
脱税適法あり

あり

 

節税とは

節税は租税法がもともと用意している方法によって税金を減らす行為をいいます。

法人の減価償却を例にとれば、法人税は減価償却でその事業年度に償却できる損金の限度額を定めているに過ぎません。

減価償却の結果100万円まで減価償却費として認められるとして、110万円を減価償却費として計上すれば法律違反ですが、50万円<=100万円を減価償却費として計上することは違法でないのです。

節税をする際には、法律内で一番税金を減らすことができるようにしますので、当然100万円ちょうどを減価償却費として計上します。

 

租税回避とは

租税回避は、通常は取らない法律選択をすることで取引上の結果は同じでも税金を安くすることをいいます。

もちろん、通常は取らない法律選択は法律上は認められているのですが、通常とる法律選択をするより税金が安くできます。
両者は、法律に従っているという点では共通しています。
しかし、同じ経済効果をうむ取引をしているにも関わらず、片方は税金を多くはらい、片方は少ない税金で済んでしまうこととなります。

問題点として、は課税の公平性が損なわれるということです。

 

脱税とは

脱税は、偽ったり不正な取引をして税金を減らそうとする行為です。
こちらは「偽る・不正な取引をする」点で、法律に違反をしています。

法律に違反をしているという点で、租税法律主義の要請に違反をしています。

租税回避と同系統と錯覚する場合があるやもしれません。
租税回避は前述の通り、法律には従った行為なのです。
一方で脱税は、法律違反です。

両者は似ているようで根本的に違うのです。

 

節税・租税回避・脱税を英語ではどう呼ぶか

節税・租税回避・脱税を英語で見た方が、差異が分かりやすいかもしれません。

  • 節税 tax-reduction
  • 租税回避 tax-avoidance
  • 脱税 tax-evasion

このように節税と脱税は、明らかに語彙が違いますね。

 

租税回避を否定する根拠は?

租税回避を否認するのは実はちょっと難しいです。

租税は、租税法律主義という考え方で、法律に基づいて課税されます。
課税庁側の恣意的な判断に基づくものではないのです。

つまり、課税長側が「この取引なんかちょっとあやしくない?」
みたいな判断で、こっちは税金を多くしたりあっちは税金を少なくしたりはできないのです。

 

租税回避はもともと法律に従った内容の行為ですから、否定するにしても否定できない(しにくい)のです。

否定の方法は(1)個別的に否定をしていくか、(2)一般的に否定をしていくか、の2種類です。

日本の場合は個別的に否定をしていきます。
つまりは、租税回避行為を埋めるような条文を足していくのです。

一方で、ドイツの例をあげると一般的に否定をしています。
「法形式の乱用によって租税回避をした場合は、(課税長側に)租税請求権が発生する」ことを一般的に規定することで、租税回避に対抗をしていくのです。

 

ドイツの例の方が良いように感じるやもしれません。
しかし、こちらは課税長側の恣意性を増し、租税法律主義への侵食を促しかねない危険性はあります。

一方で、個別的に否定するということは、否定されるまで穴がふさがりません。
穴がふさがれるまで、課税の公平性が損なわれる可能性があるのです。

 

まとめとして:過度な節税は脱税なのか?

ここまで定義を考え直してもらえれば、過度な節税は脱税ではありません。

強いていえば、過度な節税は租税回避に近いそうです。
しかし、節税は節税です。過度であろうがなかろうが、節税です。

最初に紹介したエコノミスト記載の内容は、書いた方の気持ちはわかるのですが、正確な表現ではないでしょう。

否認の規定も変わってくるため、論じる際にはしっかりと分けておきましょう。

 

【編集後記】
分かりやすい図解とかができるようにiPadを新調しiPad Proにしようかと。
頼んで本体らはすぐ来たのですが、付属品は10日程度かかるようです。

そろってから設定予定です。

【運動記録】
ジョギングX ストレッチX 筋トレX サプリO
(寝かしつけで寝てしまいました)

【昨日のはじめて】
ムレスナティー プリンセスベリー

【昨日の子育日記】
最近「おっきい〜」を覚えました。
大きいものを見つけると報告してくれます。

トラックとかファミリかーとか。基準点は分かりませんが。
彼にとって、普通乗用車は大きくないようです。

References   [ + ]

1.益金が十分にあるという仮定ですが。
租税法入門
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AK-UP まいせん(毎日の処方箋)