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名前は租税法か税法か?租税法を学ぶ目的は?租税の性質は?

弁護士、公認会計士、税理士共に、租税法が関係していきます。
体系的な知識を身に着けるために、この租税法を少しずつ自分なりにまとめていきます。

まずは租税とは何かというところから始めていきましょう。

 

*租税法か税法か

 

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税法と租税はどちらを使うべきか

税法とは租税に関する法律のこととです。税法の研究と教育を目的とする分野を法律学の分野として、税法と呼ぶこともあります。

 

租税・租税法・税法の辞書からの意味

広辞苑(第四版)で租税・租税法・税法の意味を引いてみましょう。

租税法

①みつぎもの。年貢。②国家または地方公共団体が、その必要な経費を支弁するために、国民から強制的に徴収する収入。国家の徴収するものを国税、地方公共団体の徴収するものを地方税という。

 

租税法

租税に関する法規、すなわち納税義務者・課税物件・課税標準・税率・課税方法・納税義務違反者に対する処罰方法などを定めた法規の総称。税法。

税法

租税に関する法規。租税法。

 

 

税法と租税法は、ほぼ名称の差

窪田先生の説を使わせていただければ、どちらもほぼ同じ内容を指しているとされています。

「税法」VS「租税法」 | ねこのいる事務所、税理士窪田、今日も生涯の一日なり!
税に関する書籍名を見ますと、「税法」と「租税法」というものがあります。両者はどう違うのか?私もそうでしたが、初学者が悩むことの一つかもしれません。結論は、「税法」=「租税法」だと考えます。単に呼称の差異にすぎないと思います。ここで「税法の世

 

名称の差ということと解釈となっております。
語彙の感覚との合致という点もあるでしょうか。

司法試験・会計士試験は租税法の科目名ですし、税理士試験はそのまま税法の科目名をとっております。

 

ここでは租税法ということで名称をできる限り統一して話を進めていきます。

 

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租税を学ぶ2つの意味

さて、前置きが長くなりましたが、租税法を学ぶ意味をはじめに理解してみましょう。

以下2つが大きなところですが、2つ目の部分。
人の活動において取られるコストを事前に算出して予測しておくというところが、実務的なニーズやビジネスとしても大切でしょう。

 

公共サービスの原資(課税庁側として)

租税によって得られた税金は、公共サービスの原資となっています。

日々の生活は、国や地方公共団体の公共サービスによるところが大きい。国や地方公共団体の原資として、税金があります。

サービスをする側にとってもされる側にとっても、公共サービスの実現という意味で、租税は大切です。
課税庁側のコントロールに近い目線もあるでしょうか。

小学生の税金関連の作文でも、税理士が派遣される租税教室でももっぱらこの点を理解して相互で助け合うということを広めています。

公法としての租税法という見方です。

 

人の活動のほとんどの場面で税金を取られる(納税者側の目線として)

相互扶助の実現をするために、国などは人が活動をするほとんどの場面で税金をとっています。
「そのため、ある行動をすることによって税金を取られる」、その予測可能性をしっかりと担保する意味で租税法を学ぶことは重要です。

仕事をしている人としてはこちらの意味の方が理解しやすいでしょう。

そして、複雑な取引の場合には税金が実際にかかるかどうかというところがとても大切な点です。

 

課税する側が恣意的に徴収額を大きくしたり小さくしたりしていたのでは、経済活動がままなりません。
この観点で、租税法を理解すると目的が理解しやすいです。

こちらは、取引法としての租税法という考え方になります。

 

 

租税の概念要素・種類・その他の役割

3つの性質

租税には3つの性質があります。

  1. 公益性:公共のサービスの原資を得ることと目的とする
  2. 権力性:国民の財産を強制的に徴収する(逆の意味で法律に基づいて課税されなければならない)
  3. 非対価性:対価ではなく、税金の負担能力に応じた支出をさせること

税収と支出のバランスが難しくなってくると受益者負担の原則がさけばれがちですが、租税のもともとの性質は非対価性という点があります。

 

非対価性は、いわゆる大島訴訟(サラリーマン税金訴訟)において、反対給付でないという規定がされている裁判例を根拠とすることもできるでしょう。

憲法と租税法 大島訴訟の引用(租税百選1)

ところで、租税は、国家がその課税権に基づき、特別の給付に対する反対給付としてではなく、その経費に当てるために資金を調達する目的を持って、一定の要件に該当するすべての者に課する金銭給付であるが、・・・

大島訴訟は、憲法と租税法の関係に係る判例研究として、どの租税入門の本を見ても出てきます。

憲法14条1項で、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とあり、ここへの抵触を争ったものです。
租税判例百選でも1番目に出てくるものなので、一読しておいても面白いところです。

 

 

租税の種類

租税の種類は以下のようにまとめることができます。

  1. 課税団体による分類(国税、地方税)
  2. 納税義務者と納付者が同じかどうか(直接税は所得税、間接税は消費税)
  3. 税金の性質による分類(普通税と復興特別所得税のような目的税)

 

公共サービスの収益以外租税の機能

公共サービスの対価以外の機能としては、以下の2つの性質があります。

  1. 再分配機能
  2. 景気調整機能

 

ちなみに、租税とはなんなのでしょうか。
世の中には税金であるような税金でないようなものもたくさん存在します。それについての判例は租税判例百選の2で、国民健康保険条例に基づく保険料の租税該当性というものがあります。

 

 

司法試験・公認会計士試験・税理士試験と本ブログの租税法

包括的な理解を得るために、本ブログは租税法をまとめております。

司法試験・公認会計士試験・税理士試験の試験一式に関して、理論的なバックグランドの提供はできますが、数値計算などは入っておりません。
この点で本ブログは資格合格に直接は役に立ちません。

試験は差を浮き彫りにする目的があるため、出しやすい論点という点をみているかと。
各資格試験で「租税法」と呼んでいるものをまとめてみます。

 

租税法の構成要件は別途まとめますが、各試験における租税法の範囲は租税実体法が中心といえます。司法試験では租税手続法の範囲も出ていますね。

租税法の構成については別の内容でまとめますが、先取りをして租税法のどの分野から各試験問題が出ているか考えてみます。

 

司法試験

選択科目の中の一つ

司法試験で租税法は、論文式試験の選択科目8つ中の1つとなっております。

((

司法試験受験案内より

クリックして001273105.pdfにアクセス

))

平成31年の選択科目は下記の通りです。

  •  倒産法
  •  租税法
  •  経済法
  •  知的財産法
  •  労働法
  •  環境法
  •  国際関係法(公法系)
  •  国際関係法(私法系)

平成29年の選択者数は94人 (6.09%)、平成28年の選択者数は 94人 (5.94%) となっており、司法試験選択科目8つ中、下から3番目。
分かりにくいこともあり、人気はないようです。

 

過去問例

平成30年の分からですと、「慰謝料の所得税での取扱」「貸倒引当金の損金算入の是非」「架空帳簿における給与所得の源泉所得税の取扱」などです。

租税実体法と租税手続法が主体の論点ですね。

平成30年の租税法過去問の一部です。

(前提略)

[問1]
  1. Aの精神的苦痛に対する慰謝料としてはせいぜい15万円が相当であったとした場合、AがXから損害賠償金として受け取った100万円について、所得税法における所得の概念を踏まえつつ、Aが所得税を課税される範囲を説明しなさい。
  2. Bが貸倒損失として経理処理した400万円について、参考となる最高裁判所の判決の内容を指摘しつつ、B社の法人税の計算上、その全額を損金の額に算入することができるか否かを論じなさい。

クリックして001258876.pdfにアクセス

 

公認会計士試験

平成30年の公認会計士の租税法の試験は、法人税法・所得税法・消費税法の個別の取扱を設問にしております。

租税法の中の、租税実体法からの出題というように分類できるでしょう。

https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/ronbun_mondai30a/02.pdf
 
 

税理士試験

税理士試験は、法人税法・所得税法・消費税法のように個別の税額の計算や理論を問う問題となっております。

ただ、税理士試験受験で租税法という言葉はほぼほぼ馴染みがでません。
理論といっても、暗記した内容をまとめ直して書きます。
租税実体法の取扱いともいえますが、実務での取扱に即した内容のため租税法としての学習はほとんど必要なです。

つきつめれば益金算入規定などで、事例問題で租税法と税理士試験のつながりはなくはないのですが訳にそれよりも個別の対策をとった方が有用でしょう。

 

大学院で論文を書く際には、租税実体法以外の部分も合わせて内容を理解していた方がいいですが。

 

 

まとめとして

租税法の概況について一部をみてきました。

租税は経済活動を行う上でいつもつきまといます。
租税が恣意的ではなく、予測可能性がはっきりしている点を明確にする。
この観点から租税法を学ぶ理由を理解する方が、多く方がしっくりくるのではないでしょうか。

学問的には公平とは何かという議論を突き詰めるのも面白いところですね。
その場合は租税法というよりも、ワークショップで概念的なところから導入していくと良いかと。

長くなってくるので、租税の体系については別の投稿でまとめてみます。

 

【編集後記】
税法関係の学びを少しずつまとめて共有していきます。
できる限り平易に記述していくつもりです。

【運動記録】
ジョギングO ストレッチO 筋トレO サプリO

【昨日のはじめて】
チャーシュー煮玉子おにぎり

【昨日の子育日記】
冷たいもの飲んだせいか少し体調崩したようです。
胃腸風邪には至らないようですが、着替えさせたり夜に洗濯機を回したりしました。
翌朝にはだいぶよくなっていましたが、病院に連れて行くつもりです。

租税法入門
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